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龍虎繚乱記 -序-

大昔に書いてた二次創作の戦国(?)パラレル設定話
もうそれオリジナルでやれよって感じなのでちょっといじってサルベージしてみた
※ほもです 主君×小姓……みたいな?
「っふ、ん………っ」

 口にあてた両手の指のあいだから、隠しようもなく荒い息が漏れた。
 照明を落とした室内は薄暗く、自分を組み敷く男の琥珀色の眼が、炯々と光っている。
 慣れきった気怠い快感に涙の滲む碧眼をうっすらと開ければ、猫科の動物を思わせる獰猛な瞳が不機嫌に細められた。

「抑えるな」

 酸素を求めて開こうとする口から、細い指が無理やりに引き剥がされる。
 掴まれた手首はそのまま乱れた敷布に押しつけられ、そこにかかった思わぬ体重に息を呑んだ。

「何度言わせる気だ。声を、出せ」

 唇の両端を引き上げ、殊更にゆっくり告げると、男は引きかけた腰を再び押し進めた。

「あ……っ、ひ、ぁ………!」

 強情に声を発することは拒みながら―――全部は呑み込めず途切れ途切れに零れ落ちるのだが―――その代わり両の手を振りほどき、男の逞しい背中に腕を回した。
 んん、と鼻から息を抜きながら、縋るように指を立ててみせる。
 汗の滲んだ背中に、ぎり、と爪が喰い込んだ。

「ン、…………っあ!」

 ぐい、と深く穿たれ、ひと際高く声があがると同時に握りしめようとしたものか、爪の先が皮膚を抉って赤い痕を刻む。
 明確な意志を持って傷つけられたことに気づかないはずはないだろうに、男はなお笑んでみせた。

「足りねぇ」

 その程度では足らぬのだと、容赦なく打ちつけられて、身体は快感を追うのに必死になりはじめる。
 感覚は正直だ。そしてひとは快楽に弱い生きものなのだ。
 溺れるつもりは毛頭ないが、この行為をもはや拒絶すら出来ないのもまた事実である。
 意識を持って行かれそうになりながら、白く染まった思考の隅で、ちらりと甘い想像が行き過ぎた。
 おのれの宿命と胸に刻み込んでのち、一日たりとて忘れたことはない。
 望まずにはいられないのだ。
 貪欲に求め絡みあいながら、それでも。



 いつかこの男の喉笛を喰いちぎる、その瞬間を夢見ている――――。



 胸のうちに叛意を抱くことも、そして恐らく自分が牙を剥くことも予感しているだろう男に貫かれ、依織は今度こそ躊躇わず意識を手放した。

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